米酢、はちみつ、砂糖(粗糖)、塩
地球人倶楽部がお届けし、皆様が普段何気なく口にしているお酢の一滴にも、こんな背景が・・・。
飯尾醸造さんは、京都・宮津のお酢やさんです。 創業は明治26年。現在の社長で4代目を数えます。酢一筋に120年。昭和39年より農薬を使わない米作りを開始し、昭和44年に無農薬米による富士酢が完成。現在にいたるまで50年来無農薬のお米をつかってお酢づくりをしています。長期間の発酵と熟成にこだわり、日本伝統の醸造文化を担う貴重な生産者です。この米作りには並々ならぬ努力があったことはいうまでもありません・・・。
昭和39年より地元、京都・宮津の棚田で農薬を使わずにお米を作ってもらい、その新米だけを原料にお酢を造っています。品種は、「コシヒカリ」が6割、それに麹作りに使用する「五百万石」です。
JAS規格で「米酢」といえる基準は、お酢1を造るのに40g以上の米を使うこと。しか
し、米だけでお酢を造るには最低120gの米が必要とされるので、この不足分は醸造用アルコー
ルや各種の穀物で添加されるのが普通です。それでも、食酢にしめる「米酢」の割合は、15%足らず。「富士酢」は、規定の5倍、200gの米を使って、米と水だけが原材の本当の純米酢です。
毎年1月になると、富士酢の蔵には清酒造りを終えた但馬杜氏が酒を仕込むためにやってきます。お酢を造るためには、まずお酒を作らなければならないからです。麹づくりからはじまり、酒母
づくり、そして酒の仕込みと、全部の樽の仕込みが終わるまで100日余り泊り込みの作業で、
甘口の濃厚な酒を作りあげます。この濃厚さが酢となって仕上がった後の旨みのもと。
多くのメーカーが、速醸法といわれタンクに空気を人工的に送り込んで発酵させる「全面発酵法」を採用し、2〜3日で発酵を完了させるのに対し、「富士酢」はタンクの中で自然に発酵を待つ「静置発酵法」を採用。発酵だけで100日を要しますが、アミノ酸が飛ばず、まろやかな味わいに仕上がります。